PAHの症状
監修:福本 義弘 先⽣ 久留⽶⼤学 医学部 内科学講座 ⼼臓・⾎管内科部⾨ 主任教授
PAHの症状
発症初期は⾃覚症状がないことも多く、徐々に進⾏するため、⾃分では症状の悪化に気が付きにくいことがあります。
肺動脈性肺⾼⾎圧症(Pulmonary Arterial Hypertension:PAH)の初期症状としてもっとも特徴的なのは体を動かしたときの息切れで、動悸やめまい、⽴ちくらみ、倦怠感(だるさ)や胸の痛みなどもあらわれます。進⾏するとむくみやせきが出たり、失神やチアノーゼを起こしたりすることがあり、軽度な活動や安静時でも息切れなどの症状が出るようになります。
※1 WHO肺⾼⾎圧症機能分類
※2 普通の活動:階段の昇降や速歩きなど
※3 普通以下の軽度な活動:平地での歩⾏、軽い家事など
Rich S. Primary pulmonary hypertension: exective summary. Evian, France: World Health Organisation, 1998を参考に作成
下記のような症状・変化がみられたら、受診時に医師や看護師に伝えましょう。
PAHの⽅は⾃分でも気が付かないうちに、息苦しくならないように⾏動を制限していることがあります。下記を参考にして、症状の変化を確認しましょう。
症状の記録には「肺動脈性肺⾼⾎圧症(PAH)⼿帳」をご活⽤ください。
PAH⼿帳は、治療⽬標や症状の変化を記載することができ、ご⾃⾝での振り返りや主治医との情報共有をサポートします。
PAH⼿帳はこちらからダウンロードできます。
監修:福本 義弘 先⽣
久留⽶⼤学 医学部 内科学講座 ⼼臓・⾎管内科部⾨ 主任教授
医学博士。九州大学医学部卒業後、循環器内科を専門に研究と臨床に従事。九州大学、ハーバード大学での経験を経て、東北大学で本格的に肺高血圧診療に携わる。現在は久留米大学で心臓・血管内科の主任教授として、肺高血圧診療を含めた循環器診療を行っている。また、久留米大学循環器病研究所の所長も兼任。日本循環器学会認定循環器専門医として、患者の健康を守るための診療と啓発活動に注力している。